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メカニカル・システムによる自動判断は、運用にともなうストレス、不安を抑制するほか、運用判断に要する時間も非常に短いからだ。 米国のヘッジファンドでは、運用方法だけでなく、マネ−マネジメント(資金管理)についてもメカニカル(機械的)に実施し、数十億ドルもの資金をメカニカルに運用するところもある。
こうしたヘッジファンドを好む投資家の多くは、人間の裁量が入らず、機械的に運用されることによる「運用の客観性」を好んでいるようだ。 ところが日本の場合、テクニカル分析をする者を「チャート(罫線)屋」と称する人もいるように、メカニカル・システムによるトレードを低く評価する風潮が強い。
ただ世界的に驚異的な成績を上げるファンドマネジャーの経歴をよく見ると、じつはメカニカル・システム運用出身者が意外に多いのも事実である。 これまでのさまざまな経験やデータを駆使して、今後の市場の動きを分析する人たち。
メカニカル・システムでの成功のポイントは、いかにして運用成績を向上させるプログラム・システムを構築するか、という点にある。 多くの場合、メカニカル・システムでは、プログラム作成に際して、過去のデ−タで作成したプログラムの有効性をテストする、テストを実施する。
メカニカル・システムを利用するヘッジファンドでは、過去数十年にもわたるヒストリカルデ−タで自らのシステムを検証する。 そして、過去のデ−タによる自動運用が、思ったほどの成果を上げていない場合は、プログラムのアルゴリズムを改良し、システムの最適化(フアイン・チュ−ニング)を実施する。
これらの作業によって、メカニカル・システムによる将来の運用成績は安定的なものとなっていくのだ。 システム・トレードで用いられるプログラム「トレンドフォロー型」と「カウンタトレンド型」一般に、システム・トレードで用いられるプログラムは、「トレンドフォロ−(順張り)型」と「カウンタトレンド(逆張り)型」の二つに大別される。
トレンドフォローとは、市場で発生したトレンド(傾向)に自分のポジションをあわせていく手法である。 資産価格の値動きにトレンドが生じたと判断される場合、そのトレンドが今後も続くであろうと仮定して、ポジションを形成する。
そして、トレンドが消失したと判断されるときに、ポジションを閉じる。 通常トレンドフォロー型の運用法では、トレンドが長く続けば続くほど、運用リターンも大きくなる。
カウンタトレンドは、値動きのピ−ク(山)とボトム(谷)をとらえて、ポジションを構築する手法である。 上昇トレンドにあった資産価格がピークをつけた(今後はトレンドが下向きになる)と判断される場合、資産価格が下降すると利益が得られるようなポジションを形成する。
逆に、下降トレンドにあった資産価格がボトムをつけた(今後はトレンドが上向きになる)と判断される場合には、資産価格が上昇すると利益が得られるポジションを形成する。 このため、カウンタトレンド型のプログラムは「逆張りプログラム」と称されることが多い。

トレンドフォローは、システム・トレーダーに人気のある手法である。 市場は時として長期にわたるトレンドを形成することがあり、システムフォローを用いれば、発生した長期間のトレンドとともに大きな利益を得るトレンドフォローでは、「市場のトレンドを予測することは難しい」もしくは「トレンドは予測不能である」との前提を置いている。
そのためプログラムの成否は、発生したトレンドをいち早く把握できるかどうかにかかっている。 ただ現実には、市場で明確なトレンドが発生する機会は多くない。
このため、トレンドフォローによるシステム・トレードを実施する際には、トレンドを認識するチャンスを増やすために多くの市場に分散してポジシヨンをとる必要がある。 トレンドフォローでは、トレンド発生の判断材料として移動平均値やレンジ・ブレイクアウトを利用することが多い。
移動平均値とは、トレンドの方向性や大きさを測定する際に用いられる指標であり、ある特定期間(たとえば5日間)における資産価格を平均化したものである。 直近の資産価格と移動平均値を比較することで、直近の資産価格が過去の平均よりも上回っているか、下回っているかを判断することができる。
移動平均値は、資産価格の平均値であるから、資産価格の小さな変動(ノイズ)が除去され、そのトレンドを容易に把握することが可能となる。 レンジ・ブレイクアウトとは、資産価格がこの取引レンジから逸脱した場合にトレンドが発生したと考える手法である。

取引レンジは、価格の上限を示す抵抗線と、下限を示す支持線で示された範囲である。 取引レンジを形成する抵抗線、支持線は、チャートから直感的に想定されることもある。
たとえば、過去の日中高値を結び合わせて抵抗線とする一方、日中安値を結び合わせて支持線とする方法でも実用上問題はない。 また、日中高値・安値だけでなく、週次の高値・安値、月次の高値・安値による抵抗線、支持線も併用することで、現状の資産価格が、取引レンジの中にあるのか、外にあるのかを判断することもできる。
一般に、トレンドは市場取引全体の1割13割程度しか発生しないといわれており、発生したトレンドをシステムが認識する確率も5割程度とされている。 このためトレンドフォローでは、トレンドにいち早く乗るために、可能な限り早い時期にポジションをとる傾向にある。
ただ、システムがトレンドの発生を認識し、ポジションを構築したとしても、実際にはトレンドが発生せず、結果として損切りを余儀なくされる場合も多い。 特に、資産価格が二疋の範囲で推移するレンジ相場が続いた場合、トレンドフォローによる取引は、損切りが頻繁に行われ、損失が積み上がることになる。
資金管理を厳格に行わずにトレンドフォローでポジシヨンを形成すると、最終的にはトレンドが発生する前に資金を全て失ってしまう可能性すらある。 トレンドフォローでは、長期にわたるトレンドをはじめから把握し、ポジションを構築すれば利益も大きくなる。
しかし、長期間トレンドへのこだわりが強すぎると、損失が拡大することになる。 トレンドフォローで安定的な成績を残したいのであれば、ある程度短いトレンドであっても、トレンドの発生と消失を素早く認識し、損切り回数を減らすようなプログラムを作成することが求められる。
カウンタトレンドは、値動きのピ−ク(山)とボトム(谷)をとらえてポジションを構築する手法である。 相場で成功する法則の一つとして「安く買い、高く売る」があるが、カウンタトレンドとは、この「安く買い、高く売る」を文字どおりに実践するプログラムといってもよい。
カウンタトレンドでは、上昇(もしくは下降)トレンドにあった資産価格がピ−ク資産価格トレンドとは逆の方向にポジションを形成する。 よって、カウンタトレンドでは、トレンドが変化する点「屈折点」を発見し、屈折点が確認されたら、すぐさまポジションを形成するプログラムともいえる。
(もしくはボトム)をつけたと判断される場合に、これまでのカウンタトレンドでは、屈折点の発見方法としてオシレータ−系のテクニカル分析手法が用いられる。

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